先日、とても良い精神科医に出会いました。

子どもの発達を専門にされている先生で、その先生の言葉に泣けました。
先生と『Wingの三つ組』についてお話していました。
ご存知ない方もおられるかもしれないので、まずそのことを簡単にご説明。
「自閉症スペクトラム」というのは広義の自閉症で、その中に色々なタイプが含まれます。「スペクトラム」という言葉自体は、「連続しているもの」という意味であり、いわゆるくっきり境界線のないグラデーションカラーのようなイメージで、つまり自閉症スペクトラムの状態像は多様です。
その多様な自閉症スペクトラムの人たちが共通特性としてもっているのが、下記のWingが提唱した『三つ組』だと言われています。
①社会性(対人関係)の発達の障害(質的な違い)
②コミュニケーションの障害(質的な違い)
③イマジネーション(想像力)の障害(質的な違い)
さらに、自閉症スペクトラムの人は、この三つ以外に、「感覚の敏感さ/鈍感さ」を持ちやすいと言われています。
自閉症スペクトラムの人によくみられる「こだわり」といわれる行動。その背景には、この「③イマジネーション(想像力)の障害」があると言われています。目の前にないことや次に起こることを想像することが難しく、自分なりに見通しをもつことが苦手です。そのため、ものごとに臨機応変に対応することが苦手なので、安心できるいつも通りを望み、興味・関心がかたよります。
また「感覚の敏感さ/鈍感さ」というのは、聴覚・視覚・味覚・臭覚・触覚・痛覚・体内感覚の全ての感覚領域で、敏感さや鈍感さがあると言われてます。
我が家のほっしゃんも、③の特性があるようで、『安心できるいつものパターン』を強く好みます。安心できる人、安心できる場所、安心できる食べ物、安心できる遊び…などなど。また、音に敏感で、花火大会などの大きな音は最初はとても怖がっていました。また味覚は、ほんとに神の舌という言葉でしか表現できないレベルの高さ。だからほっしゃんが安心して食べられるものは非常に少ないです。そして臭覚も過敏だなと感じます。私には無臭の場で、突然「くっさーーーー!!!もう気になって遊べない!」とか言われるので。私から異臭を放っているため、私だけが気付いていない…というわけではないと信じています。
そんなほっしゃんの特性と私の日頃の工夫なんかを話していたら、先生が仰いました。
「そうやって彼のこだわりに合わせてあげることで、本人は困らなくて済んでいると思います。彼のこだわりがあっても、誰にも迷惑かけてないんだからいいよって受け止めてあげてますよね。たとえそれが“普通のやり方”とは違っても、そこを修正せず、お母さんが受け入れてあげていることで安心できていると思います。もっと大きくなって、彼自身が、あれ?みんなはこんな風にやってるんや…合わせたいなって思ったら合わせればいいし、みんなはそうだけど僕はこのままこっちのやり方がいいなって思えばそれでいい。」
「過敏さへの対応も、無理強いされたら、その子にとってその体験がトラウマになる。粘土を触らされたり、ごはんを食べさされたり…。トラウマになると、もっとその行為を嫌いになってしまう。だから、彼の“したくない”に合わせながら、彼に負担のない方法をとっていくと、逆により成長していく。お母さんが、この一年程で出来ることが大幅に増えたと仰ったのは、その無理強いさせない関わりがとても大きかったと思いますよ。」
小さい頃から全く寝なったほっしゃん。児童館行っても、友達と遊んでも、ひとり昼寝しないほっしゃん。1歳から超偏食が始まったほっしゃん。毎日毎食同じものを食べていて、健康が心配で心配でならなかった。真夏のかんかん照りでも帽子をかぶらず、真冬で雪が降っていてもジャケットを着ず、人の家に呼ばれても椅子でご飯を食べることができず、他のママが普通にさせていることを、なぜ私はできないんだろう…って悩んだ日々。
でもヒーロー(療育)に出会って、『受け止める育児』を教えてもらって、私なりに精一杯ほっしゃんの全てをそのまま受け止めることを目標にやってきました。
時に、「甘すぎるんちゃう?」というささやきが聞こえてきて悩んだり、他の子どもたちが目に入ってしまって、「やっぱり甘すぎるんかな?」って自問自答したりの繰り返しですが、なんかこの精神科医の先生がこんな風に言ってくださって、なんか本当にほっとしたというか、嬉しかったというか、ぴったりの言葉がよくわかりませんが、帰り道涙があふれました。
これからももっともっといろんなことがあって悩むんだろうけれど、そんな時は、ひとりで悩まず、信頼出来る人に相談しながら、そして誰よりも、ほっしゃんの声に耳を傾けながら頑張りたいなと気持ちあらたになれました。
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