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  • JaporiMama

愛する家族が大病を患うということ

週末、ほっしゃんとてんちゃんを連れて、友人の家へ遊びに行きました。

3歳児と1歳児男子を連れて、一時間以上かかる友人宅へ行くのは、まだ勇気がいります。行き帰りにギャン泣きとかならへんかな…というのと、ほんとにやんちゃなので、友人宅でなんか壊してしまわないかな…という不安。でもそれでもどうしても行きたくて行ってきました。


というのも、その友人は今癌との闘病生活を送っています。友人も小さな子どものママ。突然癌を宣告されて、心身ともに大きなダメージを受け、今、本当に苦しい中にいます。子育てもままならず、今までみたいに遊んでやれないことに対しても、自責感がいっぱいで苦しんでいます。


私が行ったからって何もできないんだけれど、話し相手くらいになれるかなという期待と、何より、うちのボーイズをつれていって友人の子と遊ばせたら、友人の気持ちも少しは晴れるかな…という思いでした。


週末だったので、友人のダンナさんもお母さんもおられました。少し公園で遊んで、その後は家で遊んでいました。数時間で帰る予定だったのですが、晩御飯も一緒に食べてほしいと懇願され、お言葉に甘えて晩御飯までよばれてきました。


帰宅したら、友人とお母さんから、それぞれメールがきました。

「今日はありがとう。朝目覚めた時は暗闇にいたのに、楽しい一日をありがとう。」

「本当に久しぶりに娘の笑い声を聞くことが出来ました。信じられなかった。ありがとう。」


今、これを書いているのは、自分の数年前を思い出したからです。私も数年前は、母が癌と宣告され、父が若年性認知症で、その過酷な過酷な闘病生活をなんとか支えようと必死でもがいているひとりでした。


愛してやまない家族のひとりが大病を患った時、日常が一変しました。突然不安と恐怖が家の中に侵入し、それまでの幸せがアッという間になくなってしまいました。病気を患っている本人がもちろん一番つらいんだけれど、一緒に闘っている家族の苦しみも半端じゃない。病が愛する家族を失っていくかもしれないという不安は、言葉なんかであらわせない。


家の中にいたら、電気をつけているのに、電気がついていないような感じだった数年間。家族のひとりひとりが、必死になっていて、少しでも何かのバランスが崩れたら、全員でおぼれてしまいそうな感覚。きっと感覚だけじゃない。本当にみんなが限界の中、日々を送っていた。


いつ終わるかわからない病との闘いの日々。毎日毎日、仕事と母の看病と父の看病をしていた日々。兄弟で手をとりあって走りぬけた日々。みんな不安で、悲しくて、心ははりさけそうなんだけど、そんなこと言ったところで出口はないから、ただ出来ることをし続けた日々。


そんな時、たまに私たちのことを気にかけてくれた伯母やいとこが来てくれた。それがどれだけ救いだったか、それこそ言葉であらわせない。何か看病をかわってくれるとかではない。そんなことじゃなくて、一番救われたのは、閉塞感の真っただ中にいるときに、ちょっと風穴をあけてくれること。毎日不安と悲しみの中にいるときに、ちょっと外の空気を運んできてくれて、新鮮な空気を吸える感覚。ちょっと笑えたり。本当に癒されました。


今は、父も母ももう天国にいってしまったけれど、あの時、風穴を開けてくれた伯母やいとこ、友人のことは一生忘れません。感謝してもしてもしてもしきれない。父も母も何もできなくなっても、何も話せなくなっても、会いに来てくれた人たち。何も返せない私たちなのに、会いにきてくれた人たち。


その人たちに今でも何も返せていないけれど、あの経験があったから、次はせめて私が外の空気を運んでいけたらいいなと思ったんだと思います。


なんでこのことをブログに書いたんだろう…と自分で今振り返る。きっと今この瞬間も、あのとてつもない悲しみと苦しみと閉塞感の中にいる家族がどれだけいるんだろう…って思うと、なんかその人たちの心が救われてほしくて、ただエールを送りたかったのかもしれない。なにもエールになるようなこと書けなかったけれど、病が一日も早く癒されますように…と祈っています。


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